手を握ってくれたあなたともう一度

「キミがリアラちゃん?」

マヒリと呼ばれた人がリアラの顔を覗き込むようにして声をかけてきた。

「はい、そうです」

「可愛いねー!」

ニコニコスマイルを振りまくマヒリに悪気はなさそうだったが、距離が近かった。

「マヒリ~!怖がってるだろ!」

コツっと軽くマヒリの頭を小突くミツノ。
気付いたらトキもリアラのすぐ横に立っていた。

「別に怖がらせること言ってなくない?」

「今日初めて会った人に急に可愛いと言われたら女性は誰でも怖いと感じると思うが」

別の男性の声が聞こえ、声がしたほうを見るリアラの表情は強張っていた。

「怖がらせてしまったら申し訳ない。俺はトルアといいます」

リアラの表情を見て何かを察したのか柔らかい声色で声をかけるトルア。
それに続き「俺はミツノ」「僕はマヒリ!」と次々に名前を伝えられた。

「僕も怖がらせるつもりはなかったんだ、ごめんね」

「確かに急に男たちが現れたら怖いよな。配慮が足らなかった、すまねぇ」

思ってもいなかった言葉にリアラは戸惑うが悪い人たちじゃないことだけは理解した。

「リアラお姉ちゃん!みんなとってもいい人たちなんだよ!
でも、もし何かされたら僕が守ってあげるからね!!」

リアラの手に自分の手を重ねたトキが力強く頷く。