手を握ってくれたあなたともう一度

「ミツノ!」

ミツノと呼ばれた男性の隣には昨日会ったサザネの姿もあった。

「熱い男は好きだぞー!」

ヒョイっとトキの体を持ち上げたミツノはリアラを見ると

「ゼスから話は聞いてるぞ!今日は楽しんでくれよな~!」

ニカっと笑い大きな声でそう伝えた。

「あ、はい・・・」

「急に声をかけて悪かったな。体調は大丈夫なのか?」

少し引き気味に返事をしたリアラに静かに声をかけるサザネ。

「ラースのおかげで何とか。昨日はありがとうございました」

「礼はいい。元気になったのなら良かった」

それだけ言うとサザネは視線を集会所にいる人たちへと向けた。

特に話すこともなくリアラはしばらくの間、トキとミツノが楽しそうに話している姿を眺めていたら

「サザネー!」

遠くの方からサザネを呼ぶ声が聞こえた。

「なんだマヒリ」

「ゼスが探してたよ~!」

「そうか。俺は行くがミツノが言っていた通り、今日は楽しんでいってくれ」

リアラにそう伝えるとサザネは来た道を戻って行った。