「リアラです、よろしく」

「リアラお姉ちゃん!綺麗な名前だね!」

「っ、、、ありがとう」

屈託のない笑顔でそう言われリアラは少しだけ胸がくすぐったく感じた。

「あ、リアラごめん。ちょっとここにいてくれる?すぐ戻るから」

突然、ラースは真剣な顔で短くそう伝えると集会所の奥の方に歩いて行ってしまった。

「ねぇねぇ、リアラお姉ちゃん」

トキに服の裾をくいっと引っ張られ「ん?」と首を傾げながら少し屈む。

「リアラお姉ちゃんって異能の力や魔法って使えるの?」

「・・・ううん。私は何も」

「そっか、暗い気持ちにさせちゃったらごめんなさい」

リアラの表情を見て何かを察したのか頭を下げるトキ。

「ううん、大丈夫だよ。トキは使えるの?」

「うん!使えるよ!魔法じゃなくて異能の力なんだけど空気を少しだけ操れるんだ!」

リアラの質問に下げていた頭をバっと上げ、両手を広げ嬉しそうに話し出す。

「僕もいつかゼスみたいにみんなを守れるようなそんな格好いい人になるんだ!」

「いい夢だなー!トキ!」

後ろから知らない男性の声が聞こえ、リアラは咄嗟に振り返った。