”やめてっ!”

ーーーーーーーーーー怖いよ、お母さん。


”やめるんだ!”

ーーーーーーーーーー助けて、お父さん。


少女は震えながら訴えるがその気持ちが届くことはなかった。
辺り一面に広がった黒い霧が晴れたとき、少女の目の前に倒れている2つの影。

「あっ・・・ぁ・・っ・・・」

どうしてこうなってしまったんだろう。
ただ助けたいと強く願っただけなのに。

「ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

胸が苦しい。
このまま楽になりたい。

もう、誰も傷つけたくない。
失いたくない。

誰か、誰か・・・

ーーーーーーーーーー助けて。