恐怖病院

貴也に言われて再び通路を奥へとかける。
「グッ」
と声がして振り向くと看護師に再び貴也の攻撃がぶつかったところだった。

やった!
思わず心の中でガッツポーズを作る。
再び看護師がうずくまったすきに貴也が横をすり抜けて逃げてきた。
「やった。これで助かったね!」

そう言ったときだった。
近くに佳奈美の姿がないことに気がついたのだ。
ハッとして振り向けば佳奈美は看護師の真ん前に立っている。
真っ青な顔をして動けずにいるみたいだ。

「佳奈美!!」
「私はもうダメ。浩介がいなくなってから、どうしても勇気がでなくなっちゃった。だから、私を置いて先に行って!」
そんなことできるわけない!