恐怖病院

倉庫内はとても静かで、自分たちの呼吸音が大きく聞こえてくるほどだ。
足音を立てないように慎重に出口を目指すと、しばらくして扉が見えてきた、

後はあそこから出ればいいだけ……!
そう思ったときだった。
「来たよ!」
後方にいた佳奈美が叫んだ。

振り向くとドアを閉めて閉じ込めた子供が後から迫ってきている。
私たちは同時に走り出した。

一気に出口へと近づいていく。
それに合わせて子供が棚から分厚い資料を掴みだした。
両手に一冊づつ持っている。
「早く!!」

貴也がドアから通路へと飛び出した。
続いて私と渚ちゃん。
佳奈美が脱出する寸前に二冊の資料が同時に投げつけられた。