恐怖病院

渚ちゃんはそう言い、ドアへと近づいて行った。
さっきは開かなかったドアは自動で外側へと開いていく。
「ここにいる子供はふたりだけだから。お兄ちゃんたちになら倒せるかも」

一歩外へ出てドアの横に倒れている子供を見つけて渚ちゃんが言った。
随分長い時間ここにいたのだろう。
知識は豊富みたいだ。

渚ちゃんと守らなければと思っていたけれど、思いがけず助けてもらうことも多そうだ。

「ひとり倒したから、さっきの子供が残ってるだけだな」
貴也が先頭を歩き、その後に続く。
私は渚ちゃんの小さな手をしっかりと握りしめた。
そのあとにライトを消した佳奈美が続く。