恐怖病院

その壁は少し凹んでいる。
「怪力じゃん」
思わず呟く。

こんな子供の素手で撃退した貴也にも目を見張る。
そうこうしている間に子供は近くの棚からまた資料を引っ張りだしていた。
大人が持つにも重たそうなそれを、軽々と片手で持ち上げている。
そして再び投げつけてくるのを身をかがめてよけた。

でも、これじゃあ永遠に《倉庫2》にはたどり着けない。
子供はジリジリと迫ってきているし、明らかにこっちが不利だった。

冷や汗が額から頬へと流れていく中、再び子供が資料に手をのばす。
「させるか!」
貴也が叫んで駆け出し、子供の腹部に飛び蹴りをくらわせていた。
子供は体をくの字に曲げて吹き飛んだ。