恐怖病院

「消えるってことは、もしかしたら元の世界に戻るって意味かもしれない」
「でもあの子供はどこへも行けないって言ってたよ?」
「あいつらは俺達の敵だ。混乱させるようなことを言っただけかもしれない」

私の言葉に貴也は答える。
だけど、本当にそうだろうか?
あの子供が故意に嘘をついているようには見えなかった。
だけど消沈している佳奈美の前だから、それ以上なにも言えなかった。

今は期待的想像にまかせておいたほうがいいかもしれない。
そのまま少し休憩をしてから、私たちはまた歩きだしていた。

4人から3人になっただけでなんだかすごく心細さを感じる。
それでも次の部屋は容赦なく出現した。