恐怖病院

私はもう一度目の前の非常出口をガタガタと両手で揺らしたみた。
けれどそれも無駄に終わってしまう。
ぬいぐるみを抱きしめてガックリとうなだれてしまった。

せっかく見えた光は一瞬にして消えてしまった。
「これじゃ出られないし、助けも来ない」
貴也がそうつぶやいたときだった。

いま来た通路の奥からユラユラと揺れながら近づいてくる人影が見えた。
「さっきの看護師かも!」
声を上げて後ずさりをする。

「仕方ない。次の部屋に行こう」
貴也は私の手を握りしめて4つめの部屋へと向かったのだった。

☆☆☆

次の部屋のプレートには《室病》と書かれていた。