恐怖病院

佳奈美が指差している方向へ視線を向けると、非常出口と書かれている緑色の案内板があった。

「ここから出られる!」
佳奈美がすぐに駆けより、ドアに手をかける。
けれど鍵がかかっているのか押したり引いたりしてみてもビクともしないみたいだ。
私も同じようにチャレンジしてみたけれど、ドアは動かない。

だけどそうしている間に少し冷静になってきた。
「ちょっと待って、スマホがある!」

立ち止まって少し考えてみれば私たちはみんなスマホを持っている。
非常出口が閉まっていても外に連絡を取ることができる!
「そうじゃん! すぐにでも出られるよ!」
佳奈美も隣で飛び跳ねて喜んでいる。