恐怖病院

貴也が申し訳無さそうにうつむく。
「それは俺もだ。みんなが噂を実行した」
浩介がすぐに貴也は悪くないと養護する。

「そうだよね。真希は嫌がってたのに無理やり参加させて、本当にごめん」
佳奈美に謝られて私は慌てて首をふった。
「誰のせいでもないよ! 私だって、もっと強く止めればよかったのにできなかった」

足がすくむほどに怖かったくせに最後にはみんなと同じように呪文を唱えてしまった。
あのときのことを思い出してみると、自分が自分じゃなくなっていたような気がする。
もしかしたら、あの鏡を見つけた時点で警戒しても遅かったのかもしれない。