恐怖病院

浩介も楽しげな声で言った。
最初からあれが人間だとわかっていれば、もっとちゃんと警戒できていたと思う。

でも、あれだけ薄暗いとその判別もつかない。
「大丈夫そうなら次行くぞ」
貴也の言葉に私は頷いた。

少し進めばもう次の部屋が出現する。
私はゴクリと唾を飲み込んで貴也に続いて歩いた。
何事も楽しまなきゃと思うものの、やはり怖いものは怖くて、手足が小刻みに震えてきた。

「次は診察室か」
貴也が呟く。
見ると受付と同じように文字がかすれたプレートがかかっている。

「心の準備はできてるか?」
振り向いて質問してくる貴也に私は首を左右にふる。