恐怖病院

背中に冷たい汗が流れていた。
楽しむ余裕なんてまだない。
「あははっ。真希ってば驚きすぎ」

後から佳奈美の笑い声が聞こえてきて振り向くと、平気そうな顔の佳奈美と浩介が立ってた。

私以外の3人はお化け屋敷が怖くないんだろうか?
「だって、怖かったから」

ふぅと息を吐き出して気を取り直す。
さっきからぬいぐるみを握りしめ過ぎて中の綿が偏ってきてしまっている。
私は偏った部分をパンパンと叩いて偏りを元に戻した。

こんな調子でミッションクリアなんてできるとは到底思えない。
ぬいぐるみも、なんとなく不安そうな瞳でこちらを見上げているような気がする。
「さっきの看護師は人間だったな」