暖かな体に触れて嬉しさが湧き上がってくる。
本当に全員戻ってきてくれたんだ。
その体は傷ついて血が流れているけれど、それでもみんな元気そうだ。

「真希。真希の姿、俺たちはずっと見てたんだ」
貴也が言う。
「えへへ。ありがとう。そういえばあのカチューシャは……」

「あれは俺の提案。俺たちは消えちまったけど、カチューシャは鏡の世界に残ったままだったから、それを通じて声を届けられねぇかなって考えたんだ」

浩介が腰に手を当てて言う。
「あれがなかったらくじけてた。本当にありがとう」
みんなの声を聞くことができたから、こうして外に出ることができたんだ。
「行こう。俺たちにはまだやることが残ってる」