一方私が投げた注射器は男性看護師の胸に突き刺さっていた。
「ギャアアア!」
男性看護師が悲鳴をあげてその場に膝をつく。

突き刺さった注射器を右手で引き抜き、それを投げつけようとするが、その前に注射器ともども消えてしまったのだった。

☆☆☆

誰もいなくなった通路は静かだった。
自分の足音と荒い呼吸音だけが聞こえてくる。

通路を曲がるとすぐそばに出口が見える。
私はすがりつく思い出そこへ走ったのだった。