「真希……逃げろ」
苦しげな貴也の声が聞こえてきてハッと振り向いた。
私の背中に馬乗りになった貴也。
その背後には大きな本棚がかぶさってきている。
「貴也、そんな!」
貴也の額から血が流れるのが見えた。
怪我をしてる!
「早く行け。長い時間はもたない」
貴也の体が薄れていく。
「そんな、そんなの嘘だよ!」
必死に貴也の体にすがりつこうとするけれど、私の両手はすり抜けてしまった。
「早く……」
貴也の顔が歪む。
私は奥歯を噛み締めて貴也の下から這いずって棚の外へと脱出した。
貴也の表情が安堵に染まる。
「待って、すぐ助けるから!」
重たい棚に両手を添えたとき、貴也の姿が消えてしまったのだった。
苦しげな貴也の声が聞こえてきてハッと振り向いた。
私の背中に馬乗りになった貴也。
その背後には大きな本棚がかぶさってきている。
「貴也、そんな!」
貴也の額から血が流れるのが見えた。
怪我をしてる!
「早く行け。長い時間はもたない」
貴也の体が薄れていく。
「そんな、そんなの嘘だよ!」
必死に貴也の体にすがりつこうとするけれど、私の両手はすり抜けてしまった。
「早く……」
貴也の顔が歪む。
私は奥歯を噛み締めて貴也の下から這いずって棚の外へと脱出した。
貴也の表情が安堵に染まる。
「待って、すぐ助けるから!」
重たい棚に両手を添えたとき、貴也の姿が消えてしまったのだった。



