貴也の視線が上へ向かう。
そこには天井まで伸びた棚と、ぎっしりと詰まった資料がある。
途端に頭上の資料がズズズッと手前に移動してきた。

それが真っ逆さまに落ちてくる。
「逃げろ!」
貴也の叫び声と同時に駆け出した。

後方で資料が地面に落下する音が聞こえてくる。
それだけでは終わらなかった。
前の棚からも嘘ろの棚からも次から次へと資料の雨が振ってくるのだ。

「くそっ。一旦棚の間から逃げるぞ!」
避難した場所は入ってきたドアの近くだった。
その間にはどんどん資料が落ちてきて床に突き刺さる。

中には床を突き破って半分くらいめり込んでいるものもある。
「どうしよう、これじゃ先に進めないよ」