恐怖病院

その視線を先に顔をむけると、さっき倒した子どもたちがゆっくりと起き上がってきているところだったのだ。

「ここはお化け屋敷の中だよ。一定時間を過ぎればまた次のお客さんを脅かすために準備を始める。それに今は……」

ユウリちゃんが言葉を切る。
私は息を飲んで起き上がってきた子どもたちを見つめた。

血走った目に変化はない。
だけどその顔は血のように真っ赤に染まり、血管が浮き上がってきているのだ。

「お姉ちゃんたちがミッションをクリアしたことで怒ってる。早く逃げて！！」
ユウリちゃんの言葉に弾かれるようにして出口へ走る。
自動で開くドアがもどかしい。