恐怖病院

通路の途中で1度振り返って確認してみたけれど、看護師はその場から動かない。
もしや肩の骨が折れてしまっただろうかと思ったけれど、気にしている場合ではなかった。

すぐに4つ目の部屋が現れて足の速度を緩めた。
現実世界ではこの部屋にぬいぐるみの持ち主の子がいたから、きっと鏡の世界でも同じだと思う。
私は渚ちゃんがぬいぐるみを抱きしめていることを確認してドアの前に立つ。

自動でドアが開いて左右に3つずつ並んでいるベッドが現れた。
どのベッドの布団も膨らんで定期的に上下していて横になっている子どもたちが呼吸しているのがわかる。
私はホウキを両手でキツク握りしめて一歩一歩慎重に進んでいった。