一見なにも変わらないように見えるけれど、やっぱりここは反転している。
雰囲気が重たくて空気が滞っているような気もする。
息をするのが苦しいと感じるくらいだ。
トイレには敵の姿は見えない。
「歩ける?」
質問すると渚ちゃんはまた頷いた。
私は掃除道具入れの奥に手を突っ込み、ホウキを取り出した。
長く使われていないホコリにまみれたホウキだけれど、なにも持っていないよりはマシなはずだ。
「ぬいふるみは渚ちゃんが持っていてね? 絶対に落とさないで」
「わかった」
渚ちゃんが日本人形に似たぬいぐるみを両手でギュッと抱きかかえる。
それからふたりで肩を寄せ合ってトイレから通路へと出る。
雰囲気が重たくて空気が滞っているような気もする。
息をするのが苦しいと感じるくらいだ。
トイレには敵の姿は見えない。
「歩ける?」
質問すると渚ちゃんはまた頷いた。
私は掃除道具入れの奥に手を突っ込み、ホウキを取り出した。
長く使われていないホコリにまみれたホウキだけれど、なにも持っていないよりはマシなはずだ。
「ぬいふるみは渚ちゃんが持っていてね? 絶対に落とさないで」
「わかった」
渚ちゃんが日本人形に似たぬいぐるみを両手でギュッと抱きかかえる。
それからふたりで肩を寄せ合ってトイレから通路へと出る。



