震えながらも力強く頷く。
「もう少しだから、頑張ろうね」
このお化け屋敷の部屋は残り3つ。

もう少し頑張れば出口が待っている。
それからまた通路を進んでいくと、次は手術室の文字が見えてくる。
ドアには血のような真っ赤なペンキが塗られていてとても雰囲気がある部屋だ。

怖いし緊張もしているけれど、さっきの病室のおかげで少しだけ気もちが落ち着いているのが自分でもわかった。

やっぱりここは鏡の世界とは違い、誰も自分たちを傷つけない。
いざとなれば非常出口を見つけて脱出すればいいだけだ。
鏡の世界では非常出口も少なかったけれど、現実世界ならきっとたくさんあるはずだった。