さっきまでの恐怖が骨の髄に染み込んでしまっていて、前に進む勇気がなかなか出てこない自分へ向けて。

私は大きく息を吸い込み、病室の前に立ったのだった。
ギィィきしむ音を上げて病室のドアが内側へと開いていく。
それはとてもゆっくりでじらされているような気分になって、背中に汗が流れていった。

よくやく開いた病室にあったのは、鏡の中の世界で見たのと同じ、真ん中にある通路と、それを挟むようにして置かれている6つのベッドだった。

音を立てないように進んでいくと、通路の真ん中で急に電気が激しく点滅しはじめた。
ハッとして足をとめる。