「そんなことない! 出たいけど、でもダメなの。私がここから出たら――」
渚ちゃんがすべてを言い終える前に貴也がかけつけた。

出口を認識してホッとした表情を浮かべる。
「さっきの看護師はしばらく来ないと思う。早く外へ出るんだ!」
貴也に背中を押されて出口へと向かう。

渚ちゃんがなにか言いたそうな顔をしているけれど、外に出てから話を聞けばいい。
「行くよ、渚ちゃん」

私はそう声をかけて出口から外へと飛び出したのだった。