海を越えて、きみが好き

「そうなんだ。大丈夫。」
根拠なんてないのに、あるわけないのに、要くんにどう言われたら本当に大丈夫な気がする。そんな時にも頭に浮かんだ『好き』は消えない。圭の時でもこんなことはなかった。
なんでよ!まるで圭よりも要くんが好きみたいじゃん。こんなのどうすればいいのか分かんない。
少し息を吐くと、少し落ち着く。
「急に変なこと言ってごめん」
声は弱々しい嘘だった。圭が好きなことは『変なこと』なんかじゃない。
圭が好き?嘘でしょ?
そんな声が頭のどこかからする。いや嘘なんかじゃない。圭が大好き。