海を越えて、きみが好き

「百華!要くんもよく来たね」
待っていたのは菜々。でも2人できたことに特段驚いてはいない。
「カフェでゆっくりしてからショッピング行こう!」
やっぱり菜々はそういうと思った。けれど私と要くんは首を縦に振る。
やってきたのは、おしゃれなカフェ。っていうかなんで、私が要くんの隣なの。いや、今はそれよりも、圭のこと。圭は本当に死んだのか要くんに聞かなきゃ。
もう既に受け入れている自分が憎い。世界一憎い。要くんが隣にいることに少しばかりドキドキしてしまう自分が憎い。圭しか思わなかった、圭以外はどうでも良かったはずなのに。圭が一番なはずなのに。2人とも、じゃ駄目なのに。
「圭は、本当に、死んでるの?」
つい、途切れ途切れになった。いきなり質問したことに、2人ともかなり驚いたよう。でも要くんが少し悲しそうな顔をしたことから、なんとなく冗談なんかじゃなくて、圭はもう本当にいないんだなぁと思った。
「こう言っちゃ冷たいかもしれないけど、圭は約2年半前に亡くなった。」