指先の背伸びは恋心を秘めて

「何言ってんの、苦しいわけない!」

「私もカマをかけたんだよ。本当なんだね。周くん、つらいって言ってたよ」

「そんなはずない!! だって私だもん!! 先輩に近い存在だもん!! わかってくれるはず!!」

「……本気でそう思っているの?」

「……!」



岸村さんの顔が歪んだ。

目にはいっぱいの涙が溜まっている。



「私の物をとったり、ゴミ箱に捨てるのも、やめて。ノートを破って落書きしたのも、あなただよね?」

「だって、あんたが!! 邪魔だったんだもん!!」



そう言った岸村さんの顔が、急に青ざめた。

私の背後をしきりに気にしている。

どうしたんだろう?と、背後をふりかえると、そこには周くんがいた。



「ちが、違うの……! 先輩、私……っ」



岸村さんが周くんのそばに寄って行く。

周くんはそれを無視して、私のところへ来てくれた。



「玲奈ちゃん、大丈夫?」



心配そうなその顔に、私は頷く。

土を払って立たせてくれた。

その様子を見ていた岸村さんは、
「なんで……」
と、呟いた。