翌日、朝から嫌な予感がした。

登校して下駄箱を開けると私の上靴がなくなっていて、予感が的中した。

上靴の代わりにあったのは、一枚の紙切れ。



『昼休み、裏庭で待ってます。 一年二組 岸村 春花』



見たことがある丸くて可愛らしい文字に、背中がゾッとした。



職員室で上靴の代わりのスリッパを借りた。

周りから変な目で見られたけれど、気にしなかった。

ううん、気にすることができなかった。

頭の中は、岸村さんになぜ呼ばれたのかということで、不安でいっぱいだったから。



だけど、昼休みはすぐにやって来た。



のろのろと気乗りしない足取りで、裏庭を目指す。

既に岸村さんは来ていた。



「遅いですよぉ、せんぱぁ〜い」

「……」

「あれ、何も言わないんですか? 弁解とかなし?」

「弁解?」



どうして私が弁解する側なんだと、理解ができないでいると、
「やだなぁ。言い訳くらいしてくださいよぅ、嘘ついてるんですよね?」
と、岸村さんはニッコリと微笑む。