間違えてゴミ箱に捨てるようなこと、絶対にしない。

きっとそれは、私以外の人だって。



(故意に捨てられたとしか思えない)



でも誰に?

普段から「冷たい」とか言われて、友達もいないから、誰にされたかなんて見当もつけられない。



心に大きな引っかき傷を負わされた気持ちで、教科書を机の引き出しに戻した。



それから、物がなくなることが頻繁に起きた。

シャープペンシルとか、手鏡とか、ポーチとか。

本当に色々な物がなくなった。

その度に、教室のゴミ箱から見つかった。



(嫌がらせ……)



ある日、ノートがなくなってゴミ箱をのぞくと、やっぱりそこに捨ててあったけれど、いつもと違ったのはノートがボロボロに破れていたことと、丸くて可愛い文字で落書きをされていたことだった。



『死ね』

『ブス』

『きもい』



それらの言葉に加えて私の目をひいたのは、
『全然お似合いじゃない』
という文字だった。