「何を考えているのか、正直わからないよね」

「わかるー。美人なんだけど、なんていうか……」

「……冷たい、よね?」






ーーーそれ、言うと思った。




 
(冷たくしているつもりなんてないのになぁ)
と、心の中でこっそり小石を蹴る。



県立N高校の二年六組の教室の前。

クラスメイトに陰口を言われている私、新堂 玲奈(しんどう れいな)は冷たくて、無口とよく言われてしまう。

そのせいか、友達もいない。



「彼氏とかいるのかなぁ?」

「いないんじゃない? あれじゃ、恋愛に興味があるように見えないよ」



ギャハハとクラスメイトの笑い声が聞こえて、私はその場を離れた。



恋愛に興味があるようには見えない……?



(いや、あるよ! 彼氏、欲しいもん!!)



私だって、放課後に制服デートとかしてみたい。

好きな人のそばで、甘い時間を過ごしてみたい。