ヴィンセントに言われ、レオナードはようやく辺りを見回す。そして、異様な空気にようやく気付いたようだ。顔を強張らせている。
「な、何だこれ……。さっきはこんなことなかったんだぜ」
「やっと気付いたの?」
イヅナとヴィンセントは呆れながらもクスッと笑ってしまう。しかし、この異様な空気は変わっていない。気を引き締めて辺りを見る。
「妖の気配は感じないわね」
「でも、油断はできない。気配を消すのが上手なのかもしれない」
「妖が出ても、俺ら今丸腰だぜ。戦えねぇよ!」
森から出るのが一番いいだろう。しかし、イヅナたちは前へ前へと歩き続けた。一歩前に踏み出すたびに寒さが強くなる。イヅナの体が震えた。
「あっ。ここだ。謎の遺跡っぽいやつ」
レオナードが立ち止まり、前方を指差す。その先には確かに石造りの謎の建造物があった。二階建てのその建物は、人が立ち入らなくなって何百年も経っているのだろう。ツタに覆われ、石には大きなヒビがいくつも入っている。
「な、何だこれ……。さっきはこんなことなかったんだぜ」
「やっと気付いたの?」
イヅナとヴィンセントは呆れながらもクスッと笑ってしまう。しかし、この異様な空気は変わっていない。気を引き締めて辺りを見る。
「妖の気配は感じないわね」
「でも、油断はできない。気配を消すのが上手なのかもしれない」
「妖が出ても、俺ら今丸腰だぜ。戦えねぇよ!」
森から出るのが一番いいだろう。しかし、イヅナたちは前へ前へと歩き続けた。一歩前に踏み出すたびに寒さが強くなる。イヅナの体が震えた。
「あっ。ここだ。謎の遺跡っぽいやつ」
レオナードが立ち止まり、前方を指差す。その先には確かに石造りの謎の建造物があった。二階建てのその建物は、人が立ち入らなくなって何百年も経っているのだろう。ツタに覆われ、石には大きなヒビがいくつも入っている。


