「うん。イヅナの瞳みたいで綺麗な空だね」

ヴィンセントの言葉にイヅナはクスッと笑う。ヴィンセントの顔が赤く染まり、彼の手がイヅナにゆっくりと伸びる。その時だった。

「イヅナ〜!ヴィンセント〜!あの森、すごいぜ」

笑顔でレオナードが駆け寄ってくる。ヴィンセントが慌てて手を引っ込めていた。イヅナは体を起こす。

「レオナード、森に行ってたの?」

イヅナたちがレジャーシートを敷いた丘の真後ろは森だ。レオナードは大きく頷く。

「なんか遺跡っぽいのが森の奥にあったんだよ!」

「こんな森に遺跡?」

ヴィンセントが体を起こし、不思議そうに森を見る。この辺りに遺跡があるなど、歴史書にも載っていない。

「レオナードの見間違いじゃないの?」

「ヴィンセント、俺を疑うのかよ!」

「なら、三人で見に行きましょう」

イヅナの提案に二人は賛成した。レオナードを先頭に森の中へと入っていく。森の中は昼間だがどこか薄暗く、肌寒い。イヅナは体を震わせる。