イヅナが男の子に自己紹介をすると、ヴィンセントたちも一人ずつ自己紹介を始めた。最後に男の子が口を開く。

「僕はルーチェ。ルーチェ・クロウディアです」

「それで、なにが起きたのか話してくれるのか?」

ツヤがルーチェを睨むように見つめる。警戒心は一切隠していない。ルーチェは困った様子で言った。

「もちろん全部お話しします。でも、信じてもらえるかどうか……」

どこか不安そうな彼の手を、イヅナはそっと重ねる。真っ直ぐにルーチェを見つめた。

「大丈夫。絶対信じるから」

「空からお前、落ちてきたからな。何を言われても驚かねぇよ!」

レオナードが親指を立てて言う。隣でヴィンセントも頷いていた。ルーチェはホッとしたように表情を緩める。

「えっと、まずは僕のことについてお話ししますね」

ルーチェはゆっくりと話し始めた。