朝。結構眠いけど私は早くに女子組を起こした。理御くんの話をするために。
「あの、理御くんが話してくれたから聞いて欲しいの」
話を終えて。みんなわかってくれた様子。
「檸檬。理御くんとクラスのメッセージアプリから繋いでダンス動画送らない?」
レアとしてってこと?でも今回だけは一人で伝えたい。だって心愛とだと私は心愛がいることに甘えて眩しい光を弱くしてしまうから。そして苦しんできた理御くんには一番眩しい光を伝えたい。
「今回は私一人でやりたい」
言えた。けれど心愛は険しい表情をした。
「なんでそうなっちゃうの?いっつも。私は檸檬がいないと見てもらえないんだよ。そんなゴミみたいにすることないじゃん。檸檬って妹の癖にイキってるよね」
は?私はそんなつもりはない。妹の癖にイキってるってどういうことよ。おかしくない?本当は私も心愛が少し邪魔だと思っている。だって私のやり方にいちいち文句つけたり自分を下に評価して私が一人で勝手に進んだことにして来るもん。だけど「双子」っていう枠に自分を入れて「レア」を続けてきた。
「そんなつもりじゃない。一番眩しい光を理御くんに伝えたいだけ。別に心愛をやっちゃいけないとは言ってないし。友達なんだから何も「レア」としてに限らなくていいじゃん」
私はそういった。火花が飛んでるようだ。嶺ちゃんと藍ちゃんそして櫻華はいつの間にか居なくなっていた。
「何それ。私が邪魔みたいじゃん。私がいると光れないみたいじゃん。ひどい。一緒に育ったのにこれだけ光が違うとか心の中では思ってるんでしょ。そうだよ。私はみんなからしたら檸檬のおまけとしてついてきた「心愛」。いなくてもいても大して変わらない。でも檸檬は私とは違うんでしょ。おまけとかじゃなくて。一人だけでもちゃんと見てもらえる。だからおまけの私なんて気にしないんでしょ。双子なら上下関係がないなんてただの綺麗事だった。おまけとメインじゃ質が違うもんね。」
なんでそんなこと言うの。確かに双子でも多少才能に違いはある。けれどそれをおまけとかメインとかで分けることないじゃん。でもこのまま火がついたらまたよくないことになる。だから私も一旦落ち着いて意見を伝えよう。
「ごめん。心愛。私はそうやって心愛を傷つけてダメだって言うつもりはなかったの。ただ私も心愛がいると心愛がいることに甘えたり心愛にも眩しい光を出させるって言い訳して眩しい光の眩しさが落ちちゃうの。だから今回は別々にしたい。」
心愛は少し落ち着いたよう。でも険しい表情は崩れない。
「お姉さんぶらないでよ。妹がメインで姉がおまけとか有り得ない。しかも姉ぶってるし。いっつもいっつも私はおまけ。だから檸檬のように離れないって言い聞かせるしかできなかったんだよ。檸檬の馬鹿。一人だけ私を置いてって。双子だったらそっくりで上下関係がないとかやっぱり綺麗事すぎるんだけど。現に私の檸檬はそっくりなんかじゃなくて檸檬は出来て私はダメダメだもんね。せめて才能か生まれた順番が逆だったら良かった。」
前言撤回。全然落ち着いてなかった。私の押さえつけるような言い方も少し悪かったかも知れないけど心愛はそれを姉ぶってると感じるみたい。っていうかそんなにいうことないじゃん。心愛だってできるじゃん。それに私が心愛を置いていっていじめたみたいな言い方することないじゃん。双子だけど別々の人なんだから自分のペースで進めばいいじゃん。
あーもうイライラする。「レア」なんてやめたくなるんだけど。
「あ、そ。そんなに言うなら「レア」辞める。」
私はついそう言ってしまった。でも口に出したからかどんどん「レア」を辞めたいという気持ちは膨らんでいく。
「は?威張らないでよ。私ができないこととかわかってるくせにわかって虐めてくるの辞めてよ。私はこういっちゃ恥ずかしいけど檸檬がいなきゃ見られないの。だから離れてくなんていうのは私を見捨てるってことだよ。」
なんでそうなるの。私は心愛を見捨てたいんじゃない。
「だったら動画で事情を説明して私はレアを抜ける。」
さっきは言いすぎただけだったのにいつの間にか「レアを抜ける」と言うことは私の中で本気ごとに化していった。



