眩しい光を出すから笑って欲しい


真夜中。三人の処置はとっくに完了したし、理御くんも「もうやらない」とだけ呟いた。けれど私は眠れなかった。理御くんが怒りにまかせてやったんじゃないと思ったから。彼なりに苦しんでてやる意味を考えていたと思ったから。そして彼に笑ってほしくて眩しい光を見て欲しいと思ったから。そんな矢先私は水が飲みたくて1階に降りた。そこには細い人の影があった。
「誰、誰なの」
振り向いたのは理御くんだった。その姿に私は驚いた。
「話、聞いて欲しい」
あんなに怒って女子を憎んでいた理御くんが話?でも聴かないわけない。
「うん。聴かせて」
そう私が言ったのを確認して、理御くんはゆっくり口を開いた。
<理御の過去と気持ち編>
生まれた時から俺・理御は母さんに憎まれていたと思う。本当は「鈴原莉音」という女子が生まれるはずだったのに男子になったとわかった時母さんは「中絶する」とまで言ったらしい。それをやめさせたのは姉ちゃんだと言っていた。だから今の俺があるのも姉ちゃんのお陰で感謝して引っ掻いたりするべきじゃないなんて分かってる。それでも姉ちゃんを憎んだのは母さんに好かれみんなに好かれ俺にはないものを持っていたから。3歳まではなかなか女子らしい男子だったから母さんもそこまでも悪くしなかった。それが変わったのは幼稚園に入園してから1週間の事。よく覚えている。お迎えに来た母さんに俺は「野球ってかっこいいね!ぼく野球の選手になりたいな!」と言った。それを聞いた母さんは顔を青白くして怒鳴った。「あなたは女の子になるはずだったの。だからせめて心は女の子でいるべきなの。野球なんてあなたに相応しくない男子のくだらない遊びよ!人形遊びをしなさい!おままごとをしなさい!外に出るんじゃない!恥ずかしい物を持った男子なんて私の子供に相応しい分けない!」と。そこから俺は女子に好かれることを楽しんでいつか母さんに復讐しようと思った。大勢に告白して母さんに紹介したのも復讐。海上梨生というアイドルもそう。

嘘。理御くんの行動にそんな理由があったなんて。そんなに辛かったなんて。それを知らないで私は傷つけることを言った。そして思った。私は理御くんを元気にしたい。理御くんの事実を櫻華や栞里にも知って傷つけるのやめてほしい。
「みんなに、伝えてもいい?」
つい、そうきいてしまった。理御くんは驚いたように目を丸くした。
「なんでそんなによくしてくれるんだよ。俺は檸檬ちゃんを傷つけた上に檸檬ちゃんの師匠と友達まで傷つけた。まもってくれるなんてお門違いなんだよぉ」
そんなことない。私は理御くんを傷つけた。だから同じ。
「そんなことないよ」
「じゃあ頼む。俺のことみんなにも伝えてくれ」