家で。栞里が抜けて代わりに事情を全て話した櫻華が来た。茶色い髪にくりっとした目で町を歩いているだけで櫻華は注目される。そんな櫻華が家にいるのはなんかおかしいような気がする。それは金髪の私と心愛もそうだけれど。
「ねえ!理御くん、他にも女がいるってどういうこと。世界で一人だけの好きな人だって 言ったじゃん。しかもそのひとが私の親友だとか聞いてない。」
栞里にもにたことを言われたからか櫻華の質問に理御くんは答えなかった。
「理御、櫻華ちゃんにも謝んな」
と嶺ちゃん。けれど理御くんは悪びれもせずにスルーした。
「俺が今好きなのは檸檬ちゃんと櫻華ちゃんだ。どちらも好きだからどちらとも付き合いた い。別に二人は友達だからいいだろう。」
よくない!勝手に決めないでよ。
「別れる!悪びれもせずに彼女に浮気相手を言って「新しい好きな人ができた」ですって?
大嫌い!こんなのが世の中で通ると思わないでよね!」
櫻華。そうだひどいひどいひどい。
「櫻華ちゃんはうるさくてネチネチしてるなあ。檸檬ちゃんの方が可愛いよ。」
「だったら檸檬だけに告白すればいいじゃない!私と栞里が好きなんて言わなくていいじゃなーい!馬鹿ボケ!」
理御くんがどんどんひどくなっていくから櫻華も言い方がエスカレートして行く。でも、櫻華の言うことは正論。私だけが好きなら櫻華と栞里に告白するなんてよくない。
「なんで俺を分かってくんないんだよ!姉ちゃんも櫻華ちゃんもみんな俺を分かってるかのように言うけどさ。大事にかわいがられる女子に、ごみみたいに扱われる俺の気持ちが分かるかよ!」
そこから容易には信じられないことが起こった。理御くんが嶺ちゃんと藍ちゃんに掴み掛かって首を引っ掻いた。二人は叫び血が流れた。
「ちょっと理御くん!怒りにまかせて姉を引っ掻くとか酷いじゃん!二人とも理御くんを心配してるんだから!」
櫻華がそう叫んだ。けれど理御くんは悪びれもせずに血が流れているのを見て笑った。皮肉っぽく。そこから理御くんは櫻華に掴み掛かって引っ掻いた。それを私と心愛は黙って見ているしかできなかった。



