眩しい光を出すから笑って欲しい

帰り。今日は理御くんのことを話したいという名目で心愛と栞里とファミレスに寄って帰ることになった。
「理御くん、どうやったらまたうちのこと好きになってくれるかな。最初は檸檬よりうち  だったと思うのに。」
栞里がそう俯いた。理御くんに振られたからか栞里は今日いつものハイテンションはどこかにやって悲しそう。
「ちょっと理御ってば!待ちなさいつってんのよ!」
そこで走ってるのは本名・鈴原藍衣を使っていてアイドルモードじゃない藍ちゃん。嶺ちゃんと藍ちゃんはこの学園の大学2年生なの。
「あ、檸檬、心愛!うちの弟が二人に迷惑かけてごめん。あ、檸檬と心愛の友達?私は檸檬と心愛の師匠で2年3組の鈴原藍衣と言います。芸名は海上藍です。」
藍ちゃんはようやく私たちに気付いて栞里にも挨拶した。
「ええっ。有名アイドルの藍さん?どうも、檸檬と心愛の友達の澄川栞里です。ついでに理 御くんの元カノです。」
いつもははちゃめちゃで上級生にも敬語は使わない栞里が「藍ちゃん」のオーラに圧倒されたのか敬語でピシッと挨拶してる。藍ちゃんは目を見開いた。まあ自分の弟がふった女子だと知ったんだから当然か。
「あなたこそ理御がふった栞里ちゃんなの?うちの弟が本当に悪い事しててごめんね。女た らしで姉さえも虜にしようとしてるやつだから。戻りたいとか思わなくていいんだから  ね。」
栞里は藍ちゃんの気遣いにそっと俯いた。本当に今日の栞里はいつもとテンションが違う。
「あの、どこか行くの?」
藍ちゃんがおずおずと聞いた。
「ファミレス行くんです」
「私と嶺、そして理御も一緒に行ってもいい?」
えっ?いつも約束を優先してきっちりした藍ちゃんが当日参加なんて珍しい。