眩しい光を出すから笑って欲しい


案の定、休み時間に理御くんに呼び出されて告白された。振ると「おもしれー女」と、馬鹿にするような見下した台詞を言われた。でも、今中庭で理御くんと二人なのを悠くんに見られてたらどうしよう。
「お前、栞里ちゃんになんか言われたか彼氏いるだろ。言っとくけどお前の彼氏・悠と別れ るまで諦めないからな。栞里ちゃんと違って檸檬さんは本当に可愛いなあ。もしダメだっ たら俺・心愛さんと付き合うからなんにしろ親しくなれるね。よろしくお願いしまーす。 檸檬ちゃん」
ウッ。結構女たらしだ。心愛と付き合うとか決めちゃったし。本当に自分が好きなタイプだ。やだなー。
「心愛はあなたみたいな人と付き合わないよ」
そう言うと理御くんはにっと笑った。これが海上梨生とは思えない。あっ、海上梨生は藍ちゃんと嶺ちゃんの弟アイドルで実の弟。今結構流行っていて「クール」なところがいいらしい。で、その海上梨生は今目の前にいる鈴原理御くん。ついでに言うと悠くんもゆずきっていうアイドルの兄アイドルで芸名は「花咲ユウ」なの。
「それ、俺が海上梨生だって知って言ってんの?大体の女子は海上梨生にそう言わないと思 うなぁ」
おまけに「海上梨生」っていう存在に惚れてるし。全女子が海上梨生が好きだと思ってるのかな。
「知ってるよ。てか海上梨生はそんなに好きじゃない。」
そう理御くんを一蹴して(つもり)私は立ち上がった。やっぱり海上梨生は理御くんが作り出した幻の男子にすぎないわ。