帰宅してからお袋を呼び止める。農協での話をすると、やっぱり知っていた。
「最近、澪ちゃんきれいになったから」
「……そうか?」
「あんたは……」
「いや、毎日見てたらわかんねえだろ」
前より笑うようになったし、自分の意見も言うようになった。俺の顔見て怯えなくなったしな。きれいかどうかは知らねえ。
「まあ、きれいにしたのはあんただしね……。それに釘刺してきたんでしょう? ならいいわ。あの手の男って、同じ男の意見しか聞かないから」
「ふうん」
適当に相づちを打って畑に戻る。
歩きながらスマホを取り出して、藤乃に結婚指輪をどこで買ったかも聞いておく。
藤乃から返事が来たのは晩飯のあとで、
『いろいろあるから、二人で調べな』
ということだった。
『俺は牽制で大きい婚約指輪を買ったけどね。結婚指輪は普段つけっぱなしにできるシンプルなやつにしたよ。花音ちゃん水仕事多いから余計に飾りの少ないやつにした。美園さんの意見も聞きな』
「最近、澪ちゃんきれいになったから」
「……そうか?」
「あんたは……」
「いや、毎日見てたらわかんねえだろ」
前より笑うようになったし、自分の意見も言うようになった。俺の顔見て怯えなくなったしな。きれいかどうかは知らねえ。
「まあ、きれいにしたのはあんただしね……。それに釘刺してきたんでしょう? ならいいわ。あの手の男って、同じ男の意見しか聞かないから」
「ふうん」
適当に相づちを打って畑に戻る。
歩きながらスマホを取り出して、藤乃に結婚指輪をどこで買ったかも聞いておく。
藤乃から返事が来たのは晩飯のあとで、
『いろいろあるから、二人で調べな』
ということだった。
『俺は牽制で大きい婚約指輪を買ったけどね。結婚指輪は普段つけっぱなしにできるシンプルなやつにしたよ。花音ちゃん水仕事多いから余計に飾りの少ないやつにした。美園さんの意見も聞きな』



