私はイケメンさんの傷をメイクで隠すらしいです

ある日の月曜日の放課後。


この日は特に撮影も入っておらず暇だったので兼保健室に行く事にした。


「失礼します……」


中に入ってみても人は誰もいなくて、深海さんがいるかななんて少し期待していた俺がバカみたいだな。


そう思いながら久しぶりに今日は窓際でで寝ようと思って風に靡いているカーテンを開ける。


「……いるじゃん」


珍しくカーテンが靡いていたから変だと思ったけど、まさか深海さんがここで寝てるとは。


カーテンを開けると規則正しい寝息を立てながら寝ている深海さんがいた。


寝顔綺麗だなぁ。


深海さんが寝ている席の近くの椅子を引っ張ってきて深海さんを眺める。


「最近、深海さんを見てると変な感じがするんだけど、もしかしてあなたのせいですか?」


返ってくるはずのない質問をしてクスッと笑ってしまった。


何してるんだろ、俺。


なんだか急にバカバカしくなってすぐにカーテンを戻して兼保健室を出る。


兼保健室から教室までの廊下を歩きながらも考えを巡らせるけど全くわからいまま教室に着いてしまった。


はぁとため息をこぼしながら席に座ると前の席の佐々木君が話しかけてくれた。


「どうしたの?ため息なんて珍しい」


「聞いてくれてる?俺の今の悩み」


「もちろん!」


佐々木君はすごく優しい子だからすぐに俺の方に椅子を向けてくれた。


「俺、今ある女の子を見ると変な感じがするんだけど、もしかして何かの病気かな?」


そう言ってどう思う?と聞くと佐々木君は声を上げで大爆笑してしまった。


そんなに笑う要素あった?


そう思ってしまってもおかしいくらい俺の質問がおかしかったのかと思っていると佐々木君が口を開く。


「依桜君、それは"恋"だよ!恋!」


「恋?」


「うんっ!それは絶対に恋だね」


恋ってなんだ?


今までにない感情が現れて混乱していると佐々木君の声が大きすぎたのか他の友達にも聞かれてしまいクラス全体で俺の恋について話し合う事になってしまった。


俺は教卓に立ってみんなが言うアドバイスを黒板に書き出していく。


そんな事をしていたら授業の時間になってしまって、みんなで先生に激怒されてしまった。


みんなが席についてから黒板を見るとまだ消え切っていない文字が薄っすらと見えた。


"それはもう恋"という言葉。


俺、深海さんの事が好きなのかな……?


まだはっきりしないけど、道は開けた気がして一歩前進できたような気持ちになった。


多分すぐにわかるよね。


この"恋"って気持ちがどんなものなのか–––。