星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち

「……僕は諦めたくない。生きることに全力でしがみつきたい」

そう言うと、サイカくんは必死に上半身を起こす。
そして、焦がれるように、わたしをまっすぐに見つめた。

「日和さんと一緒に生きたいから」
(え……)

息がかかりそうな距離に、サイカくんの顔があった。
もうこれ以上速くならないだろうと思っていた鼓動が、さらに駆け足になる。
指先まで心臓のように脈打った――その瞬間。

「日和さん、僕は……」

サイカくん、と言いかけたわたしを、サイカくんがふわりと抱き寄せた。
思わぬ不意打ちに、顔が熱くなるのを感じる。

「君が好きだ。どうしようもなく、大好きなんだ」

サイカくんがくれた温もりが力強い。
たくさんの言葉をくれた彼は、どんな気持ちで今を……これからを歩もうとしているのだろう。
そう思ったら、こらえきれなくなって、涙がぽろぽろとこぼれる。

「……ううっ、嫌だ! お願い! サイカくん、死なないで!」

そう口にした瞬間、胸の奥でただよっていたものがすとんと落ち着く。
それが何を意味するかは、言葉にするのは難しい。
だけど、分かることがひとつだけ。
どこか所在(しょざい)なく揺れていた気持ちからは――もう、逃げられないんだ、と。

星が本当の意味で、人間に生まれ変われる方法。

それは、攻略本には書かれていない。
攻略本に書かれているのは、サイカくんを星に戻す方法だけ。
でも、それじゃダメなんだ。
サイカくんの望みをかなえられない。
今のわたしが望むことは、彼が思い出したくないことを引きずり出すことでも、その苦しみを分かち合うことでもない。
自分がしたいと思うことを伝えたいだけだから。
上を望めば、きりがないから、大切なことをひとつだけ。
わたしはあの時の言葉を反芻する。

「待ってて! 必ず、見つけ出すから! サイカくんの望む道は絶対に、宇宙の未来の先でつながっているはずだから!」
「……うん。……待っている」

そう言い残すと、サイカくんは力尽きたようにその場に倒れ込んでしまったんだ。