星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち

翌日の放課後。
わたしは教室を出ると、まっすぐ図書室に向かった。
二階の廊下を突き当たりまで歩くと、図書室がある。
廊下はいつものように、活気に満ちていた。

「周防くん、もう来ているのかな?」

そうつぶやくと、唇に笑みがこぼれた。
ついゆるんでしまう頬を両手で抑える。
ドアを開けると、図書室特有の空気がなだれ込んできた。

「うわっ……。今日も、本がいっぱい……」

わたしは辺りをきょろきょろと見回す。
久山中学校の図書室は、一般書や児童書や図鑑がたくさん置いてあるんだ。

「そういえば、読みかけの本があったっけ」

わたしの家はビンボーだ。
だから、本を読みたい時は学校の図書室か、近くの図書館に足を運んでいた。

「周防くんも、本を読むのは好きかな」

声にすると、周防くんに会いたい気持ちがあふれて止まらなくなる。
ふわりと温かな想いが浮かび上がった。
初めて抱いた自分の感情を持てあましていた、その時。
見覚えのある男の子が図書室に入ってくる。

「あ、周防くん!」
「声でけーよ。てーか、遅くなってごめんな」

周防くんが来ただけで嬉しくなる。
心の中にわくわくと抑えきれない気持ちがふくらんでいく。
その瞬間、わたしにとって、周防くんはかけがえのない存在なんだと実感してしまう。