『ゆめ色トレインは、しゅうてんのおしろにとうちゃくしました。どなたさまもお忘れもののないよう、お気をつけください』
シュガーのアナウンスで、じょうきゃくたちはにもつをもって汽車をおりて行きます。
「うんてんごくろうさま」
「しゃしょうさん、モカちゃん、おかげで楽しいたびだったわ」
おりていくお客さんたちはみんなえがおです。
けれどひとりだけ、えがおを見せないお客さんがいました。
さいごにのこったおねえさんです。
「シュガー」
おねえさんがシュガーに声をかけます。
「はいっ!」
シュガーはビシッとせすじをのばします。
さいごまで汽車にのこったおねえさんが、しんさ員だとわかったからです。
「今日のあなたのしゃしょうとしてのしごとぶりをしっかり見させてもらいました」
「は、はい!」
きんちょうしたようすのシュガーに、モカまでドキドキとおちつきません。
「にんげんかいにだっせんしたり、ねこをにがしたり、ミスがとってもおおかったわね」
「は、はい……」
「こんなできでは、しゃしょうは〝ふごうかく〟」