モカはお絵かきが大すきな女の子。
今日も庭でお花の絵をかいています。
「いいお天気」
モカが空を見上げると、とつぜん「うわー! あぶなーい!」という声が聞こえてきました。
モカはあわてて後ろにさがります。
すると、目のまえに大きな汽車が急ブレーキでとまりました。
「わあ! にじ色の汽車だ!」
汽車はカラフルで、星やハートのかざりがついています。
ところどころ、ビー玉や宝石みたいにキラキラかがやいています。
「きみ、けがはない?」
汽車からピンク色のくまがおりてきました。耳はハートのかたちをしていて、茶色いしゃしょうさんのぼうしをかぶっています。
「だいじょうぶよ。すてきな汽車ね! あなたがしゃしょうさん?」
「すてきだなんて、てれるなあ。この汽車はゆめ色トレイン! ぼくは〝しゃしょう〟と〝うんてんし〟をしているシュガーっていうんだ」
「わたしはモカよ」
モカとシュガーはあくしゅしました。
「それにしてもこまったなあ。これじゃあ、空の線路にもどれないや」
シュガーは汽車を見てためいきをつきました。
ゆめ色トレインは、空の上の魔法の国を走っている汽車なのです。
「ゆめ色トレインは、えんとつからにじ色のけむりが出ないと、空をとぶことができないんだ」
えんとつからは白いけむりが出ています。
「今日はお客さんたちを、おしろでひらかれるパーティーにおくりとどけなくちゃいけないのに……どうしよう」
シュガーは今にもなきそうです。
「わたしにまかせて!」
モカはクレヨンを手にとりました。

★ゆめ色トレインのけむりをにじ色にぬってみよう!
(ぬりえ)

「わあ! すごいや! これで空をとべるよ、ありがとうモカちゃん」
えがおのシュガーをみて、モカもうれしい気もちになりました。
「おれいにモカちゃんを空のたびにしょうたいするよ! さあ、のって!」
モカは急いでゆめ色トレインにのりこみました。
「しゅっぱつしんこう!」
シュガーのかけ声で、汽車はふわりとうかんで空に向かって走りだしました。