姫と騎士のめぐりあい

フィリップがリーゼロッテに
ガーデンパーティーの招待状を贈ったことを知った瞬間、クラウスな血が沸き立った。
もとはといえば、
クラウスが招待しようと準備していたのを、
どこから聞きつけたのか、
フィリップがかすめ取ったのだ。

クラウスはフィリップの思惑を
痛いほど理解していた。
また俺から奪うつもりなのか。
フィリップはいつもそうだ。
クラウスが大事にしているものは
何でも欲しがる。
好意を寄せる女性を奪われたのは
一度や二度ではない。

だが今回だけは、
フィリップの思う通りにはさせない。
王宮の回廊で、
二人はついに対峙した。

「フィリップ……貴様、どこまで卑劣になれば気が済む!」
「卑劣?恋も戦だ、クラウス。俺は勝ち取るだけだ。お前のように“理想”を語っていても、女の心は守れない。そんなだから、いつも俺に奪われるのさ。」

クラウスの拳が震える。
耐えがたい怒りと焦燥。
リーゼロッテとの未来を守るため、
感情が爆発した。

「リーゼロッテは――俺の女だ!!」

瞬間、空気が裂ける。
次の瞬間には、
フィリップの頬に拳が叩き込まれていた。
殴り返すフィリップ。
二人の王子の殴り合いの喧嘩は、
王宮中の噂の種となった。

だから当然、
それは女帝陛下や皇太子の耳にも入る。
フィリップのクラウスへの
異常なまでの執着ぶりを知っている女帝は
クラウスに同情したが、
継承順位下位の者が
上位の者に手を挙げたならば
何もしないわけにはいかない。

息子の皇太子とも相談した結果、
クラウスは「品位を欠く行為」として
謹慎処分を受けることとなった。
これにより、
クラウスはガーデンパーティーへの
出席は不可となる。