舞踏会の日は、
今までで最も幸せな日だった。
しかし、
その幸福が長く続かぬことを、
リーゼロッテは知らなかった。
舞踏会の翌月
――リーゼロッテの18才の誕生日。
ハイドランジアのフィリップ王子から
思いも寄らない贈り物が届く。
それは、真紅の薔薇の花束と婚約申込み。
「リーゼロッテ王女、私と結婚し、ハイドランジアの皇后となってくれ。愛する貴女のためなら、望むものは何でも与えよう。」
大胆で傲慢な求愛。
彼女は困惑しながらも、
クラウスから届いた
もう一つの贈り物を抱きしめた。
――イルカがラピスラズリを抱くペンダント。
イルカは彼女のモチーフであり、
ラピスラズリの石言葉は『永遠の誓い』。
クラウスの誠実な想いの証だった。
リーゼロッテは
フィリップから贈られた薔薇を隅に置き、
クラウスのくれたペンダントを
そっと握りしめた。
フィリップからの婚約の打診は
リーゼロッテの父ユリウス国王にも届いており、
ユリウスは外交的配慮から一旦返事を濁した。
「時期を見て返答しよう」と。
しかしその実「面倒なことになった」
と頭を抱えた。
先の舞踏会であんなにラブラブな姿を見たら、
「クラウス王子ではなく、フィリップ王子と結婚しなさい。」
などとリーゼロッテにはとても言えない。
どうすれば誰にも角が立たずに
丸く収めることができるのか、
結論は出せずにいた。
そんなユリウスの曖昧さを利用して、
フィリップは更に
リーゼロッテに近づこうとする。
立場上何も言えないクラウスは
苦渋の表情でそれを見つめていた。
でも自分が手をこまねいていては
リーゼロッテはフィリップに奪われてしまう。
この王子は、
こうと決めたら絶対にやり通すのだから。
「……今度こそ、失いたくない。」
クラウスは決意する。
再び“戦う”時が来たのだ。
今までで最も幸せな日だった。
しかし、
その幸福が長く続かぬことを、
リーゼロッテは知らなかった。
舞踏会の翌月
――リーゼロッテの18才の誕生日。
ハイドランジアのフィリップ王子から
思いも寄らない贈り物が届く。
それは、真紅の薔薇の花束と婚約申込み。
「リーゼロッテ王女、私と結婚し、ハイドランジアの皇后となってくれ。愛する貴女のためなら、望むものは何でも与えよう。」
大胆で傲慢な求愛。
彼女は困惑しながらも、
クラウスから届いた
もう一つの贈り物を抱きしめた。
――イルカがラピスラズリを抱くペンダント。
イルカは彼女のモチーフであり、
ラピスラズリの石言葉は『永遠の誓い』。
クラウスの誠実な想いの証だった。
リーゼロッテは
フィリップから贈られた薔薇を隅に置き、
クラウスのくれたペンダントを
そっと握りしめた。
フィリップからの婚約の打診は
リーゼロッテの父ユリウス国王にも届いており、
ユリウスは外交的配慮から一旦返事を濁した。
「時期を見て返答しよう」と。
しかしその実「面倒なことになった」
と頭を抱えた。
先の舞踏会であんなにラブラブな姿を見たら、
「クラウス王子ではなく、フィリップ王子と結婚しなさい。」
などとリーゼロッテにはとても言えない。
どうすれば誰にも角が立たずに
丸く収めることができるのか、
結論は出せずにいた。
そんなユリウスの曖昧さを利用して、
フィリップは更に
リーゼロッテに近づこうとする。
立場上何も言えないクラウスは
苦渋の表情でそれを見つめていた。
でも自分が手をこまねいていては
リーゼロッテはフィリップに奪われてしまう。
この王子は、
こうと決めたら絶対にやり通すのだから。
「……今度こそ、失いたくない。」
クラウスは決意する。
再び“戦う”時が来たのだ。



