姫と騎士のめぐりあい

その年の冬。
1年も終わろうかという寒い寒い冬の時期に
姉エリザベートとエーリヒの婚礼が
マグノリア王国で盛大に行われた。
なにせエーリヒの家は
世界有数の富豪であるロートシルト伯爵家だ。
世界各国からゲストが招かれ、
2人の結婚を祝福した。

ハイドランジアからは女王の名代として、
女帝の孫であるフィリップ王子と
従甥であるクラウス王子が出席。

久しぶりのクラウスとの再会に、
リーゼロッテの頬が紅潮する。
クラウスも思わず見惚れてしまうほど、
リーゼロッテはますます
美しい令嬢に成長していた。

しかし、
クラウスの胸の高鳴りを見逃さなかった男がいた。
――フィリップ。

「ほぉ、君がクラウス兄上の“手紙の相手”か。……なるほど、噂通りの美しさだ。」
フィリップはクラウスにライバル心を燃やし、
堂々とリーゼロッテに言い寄り始める。
食事会でも舞踏会でも、
常にリーゼロッテの隣をキープし、
あからさまにクラウスを挑発した。

「僕と結婚すれば、未来のハイドランジア皇后だよ。」
フィリップのあからさまなアプローチに
リーゼロッテは苦笑いを浮かべる。
時々、助けてほしいとでも言うように
チラチラとクラウスに視線を送っていた。

一方のクラウスは
表面上は冷静を装いながらも、
拳を握りしめていた。
身分の差ゆえに、
彼は公の場で
フィリップを諌めることができない。