姫と騎士のめぐりあい

その日の夕刻。

エーリヒの両親、
ロートシルト伯爵夫妻も宮殿に招かれた。
伯爵夫人は深々と頭を下げ、
「王女殿下が我が家に……恐れ多いことでございます。」
と恐縮していた。
ロートシルト伯爵夫人クララは
もとはといえばジゼル王妃の護衛を務めていた
女性騎士だったのだ。
かつての主君の娘と自分の息子が結婚するのだから
戸惑うのも当然だろう。
そんなクララを見て、
ユリウスは優しく笑った。

「そんなことはない。幼い頃から娘を支えてくれた君たちの息子なら、これほど心強いことはない。リサを任せられるのはエーリヒをおいて他にいないと思っている。王家の娘が自分の義理の孫娘になろうとは、かのラーデマッハー元帥も驚くだろうな。」

ユリウスの言葉に、
ロートシルト伯爵は感極まったように目を潤ませた。
「2人の結婚を温かく祝福していただき、ありがとうございます……あの2人は幼い頃からずっと一緒に成長し、まるで最初から結ばれる運命だったのかもしれません。エリザベート王女は、我がロートシルト・グループの威信にかけてお守り申し上げます。」