戦いの後。
修道院の外には朝靄が漂い、
野営の焚き火がかすかに煙を上げていた。
エリザベートは救護用の天幕で、
包帯を巻いた腕のエーリヒのそばに座っていた。
外の騒ぎなど何も届かないように、
二人だけの静けさがあった。
「……私、あんなに酷いことを言ったのに。それでも助けに来てくれてありがとう。」
「もし間に合わなかったら、俺は……きっと、生きていけなかった。」
エリザベートはその手を取った。
震える指先を、彼の温もりで包む。
「私……あの時は彼を信じていたの。優しくて、勉強熱心で……それにあなたに少し似てるって思ってた。でも、本当は……最初から、全部計算だったのね。」
彼女の頬を、涙が伝った。
エーリヒはそっと抱き寄せる。
エリザベートの肩がビクッと揺れた。
「信じることは悪くない。リサは優しいから、誰かを信じた。それだけだ。」
「でも、私のせいでたくさんの人が傷ついたわ……」
「リサを守れて良かった。リサが無事でいてくれたから、皆が救われた。——もちろん、俺もね。」
彼はそのまま、彼女の額に唇を寄せた。
触れるだけの、静かな口づけ。
だがその一瞬で、
世界がほどけていくようだった。
「リサ……君が好きだ。何があっても、俺が守る。」
エーリヒの真っ直ぐな告白に、
涙で濡れたエリザベートの目が大きく見開かれる。
「私も。私もエーリヒが大好き。あなたのそばにいたい。ずっと。」
涙と血の匂いが混ざる夜明けの空の下で、
二人はただ、
互いの存在を確かめるように抱きしめ合った。
遠くで、クラウスの号令が響いた。
ヴァルタザールを乗せた馬車が修道院を去り、
静寂が戻る。
夜明けの光が差し込み、
エリザベートの頬を照らした。
その表情には、悲しみの中にも確かな強さが宿っていた。
修道院の外には朝靄が漂い、
野営の焚き火がかすかに煙を上げていた。
エリザベートは救護用の天幕で、
包帯を巻いた腕のエーリヒのそばに座っていた。
外の騒ぎなど何も届かないように、
二人だけの静けさがあった。
「……私、あんなに酷いことを言ったのに。それでも助けに来てくれてありがとう。」
「もし間に合わなかったら、俺は……きっと、生きていけなかった。」
エリザベートはその手を取った。
震える指先を、彼の温もりで包む。
「私……あの時は彼を信じていたの。優しくて、勉強熱心で……それにあなたに少し似てるって思ってた。でも、本当は……最初から、全部計算だったのね。」
彼女の頬を、涙が伝った。
エーリヒはそっと抱き寄せる。
エリザベートの肩がビクッと揺れた。
「信じることは悪くない。リサは優しいから、誰かを信じた。それだけだ。」
「でも、私のせいでたくさんの人が傷ついたわ……」
「リサを守れて良かった。リサが無事でいてくれたから、皆が救われた。——もちろん、俺もね。」
彼はそのまま、彼女の額に唇を寄せた。
触れるだけの、静かな口づけ。
だがその一瞬で、
世界がほどけていくようだった。
「リサ……君が好きだ。何があっても、俺が守る。」
エーリヒの真っ直ぐな告白に、
涙で濡れたエリザベートの目が大きく見開かれる。
「私も。私もエーリヒが大好き。あなたのそばにいたい。ずっと。」
涙と血の匂いが混ざる夜明けの空の下で、
二人はただ、
互いの存在を確かめるように抱きしめ合った。
遠くで、クラウスの号令が響いた。
ヴァルタザールを乗せた馬車が修道院を去り、
静寂が戻る。
夜明けの光が差し込み、
エリザベートの頬を照らした。
その表情には、悲しみの中にも確かな強さが宿っていた。



