その光景を母のシャルロットは
食い入るように見つめていた。
「ジゼル……姉さま。なんで…」
その日以来、
シャルロットはブツブツと独り言を言うようになった。
なんだかとても気味が悪くて、
ヴァルタザールは母を問い詰めた。
母が答えてくれたのは
予想だにしなかった話だった。
母はかつて存在したユーフォルビア王国の
最後の国王の末娘で、
あの馬車の中で輝くような笑顔を見せていた王妃は
半分血の繋がった姉であること。
彼女は革命前に他国に嫁いで難を逃れたが、
自分たちを助けようとはしてくれなかったこと。
さらにはヴァルタザールの出生の秘密まで。
シャルロットは弟のダミアンと2人、
ユーフォルビアの王党派貴族の伝手で
ハイドランジアへと亡命した。
その後は協力者に匿われ、
身を潜めていたが
女帝が探し回っていると知り、
追跡から逃れるための流浪生活。
そんな不安定な日々を過ごすうちに
ダミアンは流行病で呆気なく世を去った。
やがて噂が落ち着き、
シャルロットは安定した生活を送れるようになった。
しかしシャルロット・ド・ウルフェニーと
本名を名乗るわけにはいかない。
そこでミドルネームのイレーヌと
親戚筋に存在した名字ヴォルテールを合わせて
イレーヌ・ド・ヴォルテールと名乗った。
命の危機こそ脱したものの、
新たな問題が彼女を悩ませる。
食い入るように見つめていた。
「ジゼル……姉さま。なんで…」
その日以来、
シャルロットはブツブツと独り言を言うようになった。
なんだかとても気味が悪くて、
ヴァルタザールは母を問い詰めた。
母が答えてくれたのは
予想だにしなかった話だった。
母はかつて存在したユーフォルビア王国の
最後の国王の末娘で、
あの馬車の中で輝くような笑顔を見せていた王妃は
半分血の繋がった姉であること。
彼女は革命前に他国に嫁いで難を逃れたが、
自分たちを助けようとはしてくれなかったこと。
さらにはヴァルタザールの出生の秘密まで。
シャルロットは弟のダミアンと2人、
ユーフォルビアの王党派貴族の伝手で
ハイドランジアへと亡命した。
その後は協力者に匿われ、
身を潜めていたが
女帝が探し回っていると知り、
追跡から逃れるための流浪生活。
そんな不安定な日々を過ごすうちに
ダミアンは流行病で呆気なく世を去った。
やがて噂が落ち着き、
シャルロットは安定した生活を送れるようになった。
しかしシャルロット・ド・ウルフェニーと
本名を名乗るわけにはいかない。
そこでミドルネームのイレーヌと
親戚筋に存在した名字ヴォルテールを合わせて
イレーヌ・ド・ヴォルテールと名乗った。
命の危機こそ脱したものの、
新たな問題が彼女を悩ませる。



